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葛飾区
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基調講演会開催報告

活動分野

子ども防災・防犯まちづくり地域活動

地域

水元地域亀有・青戸地域南綾瀬・お花茶屋・堀切地域立石・四つ木地域奥戸・新小岩地域柴又・高砂地域金町・新宿地域

去る6月3日(土曜日)14:00から15:30まで、ウィメンズパル 多目的ホールにて、平成29年度 子どもを犯罪から守るまちづくり活動基調講演会が開催されました。
(主催:子どもを犯罪から守るまちづくり活動推進会、葛飾区教育委員会、協力:葛飾区青少年委員会)
以下に開催報告をさせていただきます。

 

1.出席者

以下の皆様に出席をいただきました。 
(1)PTA/地域 69名
二上小 1名、飯塚小 6名、柴原小 4名、奥戸小 5名、川端小 1名、梅田小 1名、宝木塚小1名、新宿小 10名、柴又小 11名、道上小 2名、堀切小 2名、綾南小 3名、上千葉小3名、こすげ小 4名、四つ木小1名、金町中4名、双葉中 2名、堀切中 4名、堀切地区 1名、小松中 3名
(2)一般の受講者 8名
(3)推進会・行政17名   以上 総計 94名

2.中村先生の基調講演の要旨

子どもを犯罪から守るまちづくり活動ですが、もともと葛飾でこの活動を始めたのは20年前、亀有中学校で女子生徒が部活の帰りに、不審者に追っかけられたという相談の電話を校長先生からいただきました。この事をきっかけに葛飾でこの活動を始めました。

すでにご存じだと思いますが、私の住んでいる松戸で事件がおきました。私も事件が起きた場所を歩いてみましたが、新しい問題を提起していると感じました。まず、登校時に事件が起きたことです。私も長年にわたり、子どもの犯罪について研究をしていますが、殺人事件等が起きるのは下校中や放課後です。登校中に起きているのは、新しい傾向です。なぜかというと、登校中は集団登校が有効に働いているからです。しかし、下校時は1年生から6年生で生活が違うので三々五々の下校になってしまうため、集団下校ができず、犯罪に巻き込まれる危険性が高まります。

登校中での子ども達の大きな問題と言えば交通事故でした。集団登校だと交通事故の被害者の数も多くなります。登校時は交通事故、下校時は犯罪というのが、ここのところの傾向でした。

今回の事件で登校中も犯罪面で危ないことがわかりました。松戸のこの学校では集団登校は実施していませんでした。そのため、登校時に連れ去られ、被害にあってしまいました。

私も現場を歩いてみましたが、歩道がほとんど設置されていませんでした。生活道路の市区町村道では9割以上、歩道がないのが我国の現状です。松戸の事件でも自宅から学校まで歩道がなかったため、集団登校が実施できない状況でした。

子どもたちの安全のためには、歩道を確保していくことが重要になっていきます。

2つめの問題は容疑者が保護者会の会長だということです。

このことは、社会へ大きな問題提起をしました。

保護者会の会長とは、保護者が自分達の代表として、子どもたちや地域社会の前に示した方です。

やりたい人任せでなく、責任をもってふさわしい人を選んでいるのかという意味でこうした方を選んだ保護者の責任もあると思います。

 

このままいくとどうなっていくのか、どのように子どもの安全を守っていくのでしょうか。

PTAや保護者会の在り方が世に問われていると思います。

これについては、2つの方向があると考えています。

1つ目の道は、個人重視の社会状況の中で子どもの登下校の安全を考えるとアメリカのようになっていく道です。登下校の送迎は保護者の責任です。我国の保育園のイメージに近い形です。皆さんどう思われますか? 保育園のようなことを小学校に入っても保護者の責任で続けていく。そういう道を皆さんは選択したいでしょうか。

もう1つの道は、地域社会で子どもを守り育てていく道です。地域の大人の責任で安心できる子どもの生活環境を作っていくことです。我国には、そうした子育ての伝統があるのです。そこを切り口にして研きをかけていこうとする道です。

どっちの道に進んでいくのかを考えるうえで、葛飾のやり方を全国に知らせていきたいと思っています。

今年は、皆さんがこの活動に携わっていかれます。

それでは、葛飾のこの活動の特徴をまず、お話をしていきます。

この特徴をきちっと理解しないと、先進的なこの活動を支えていけないので、とても大切なことです。正しく理解してください。

この活動の特徴は4つあります。

1つめは、大人が中心になって子どもの安全な環境を守る活動だということです。

これまでは、子どもに安全教育をするのが一般的です。子どもに防犯ブザーを持たせる、知らない人から声を掛けられたら逃げるなど、子どもがやる活動が中心でした。大人はこうした事を学校や行政に要望するだけということが多かったです。これに対して葛飾のこの活動は大人が頭を使い、汗を流して、子どもたちの環境を安全にするという活動です。従ってPTAがこの活動に取り組むとしんどいという学校もあると聞いています。でも、実際に取り組むと楽しい前向きの活動だと実感される方が少なくありません。子ども達が変わったから危なくなったのではなく、大人が作った社会が危険になってきているから、子ども達に危険が及んできているのです。いわば子ども達は犠牲者です。大人が先頭になって汗を流さなかったら子ども達を守ることはできないと思います。いろいろなことを教えても子ども達には限界があります。

調査をしてわかったのですが、一番、子ども達に対して、犯罪を起こしているのは「見たことがない大人の男性」ということです。相手は大人の男性ですから、子ども達に自己防衛を教えていってもある意味、気休めでしかないと思います。解決のためには皆さん自身の行動が問われているのです。

また、行き過ぎた安全教育の弊害も訴えたいです。「人を見たらまず疑え」といった教育は本当によいのか。皆さんが年を取った時に託する世代は子ども達のはずです。人を信頼し、困った方を見たら声をかける社会を作りたいし、そういう大人に育ってほしいではないでしょうか。そういう芽を摘む教育をしてはいけないと思います。葛飾ではそうあってはいけないので、20年近く、この活動をしてきました。

2つめですが、この活動は、まず、子ども達から地域のどこで危険な目にあっているかを実際に教えてもらうということから始めます。

皆さんの地域・学校でもパトロールをやっていますが、地域で子ども達が何処でどんな危険な目に遭っているかがわかっていないのでは、どうしても限界があります。

この活動を始めたころに警視庁で子ども達の犯罪のデータをみせてもらうようにお願いをしたことがありました。警察もデータを見せてくれた。しかし、データの中身は子ども達がシンナーを吸った、万引きしたといった、犯人としてのデータの整理でした。

そこで、私は「普通の子ども達」がどこでそういった形で犯罪に巻き込まれているのかについてのデータが欲しいと依頼しました。警察の回答は、警察ではそういうデータのまとめ方はしていないとのことでした。警察は犯人を逮捕する組織なので、犯人に関するデータはあっても被害者側からのデータの整理はしていないとのことでした。更に行政に問い合わせてもやはり、被害者のデータはないとの回答でした。

そういった経緯もあり、この活動では犯罪の実態から調べることから始めました。

最近では社会も少しずつ変わってきていて、地域で危険なことがあったらメールで情報が共有されるとも聞いております。

しかし、我々の活動はそれとも違い、子ども達に直接、危険な箇所に関する情報を聞くという形態をとります。そのため、被害にあった子ども達のプライバシー保護は大変重要になります。子ども達から情報をもらったら、それを大人の責任で解決していくということを子ども達に伝えた上で子ども達から自己申告をしてもらう活動です。

3つめは子ども達のプライバシーや被害者の保護もちゃんと考えていく必要があるということです。

私が授業中の安全マップを推奨しないのは、クラスの中にはそのことに今は触れて欲しくないという子ども達がいる前提で考えていかなければならないからです。犯罪は子ども達に対する最大の人権侵害です。従ってこの活動を進める側にも子ども達のプライバシー、被害者の人権について最大の配慮をすることが求められます。

この活動では、アンケートは家に帰ってから書く。そのまま封筒に入れて、先生に出すのではなく、ゲタ箱や教室前のダンボール箱に入れてもらいます。今は出すのがいやだったら出さなくてもいいということを伝えます。

4つめは、この活動は、防犯活動に留まらす、安全で楽しいまちづくり活動につなげていく活動だということです。

葛飾の大人たちは自分たちみんなが横に繋がって、まちを安全で楽しいまちになるようにしていく活動であるということを大切にしています。

 

URの興味深い資料があります。

20~30代の男女600人の調査ですが、64%の人が近所付き合いはないと答えていますが、家庭をもったら近所付き合いが必要という方が70%を占めるようになります。

若い大人は地域がなくても生活ができると考える人が増えてきていると言われたりします。

最近ではPTAでも、やめる方が近代的な人間と思っている風潮があるとも聞いています。

しかし、こういう人達もこの調査の結果として、自分の子どもも地域で危ない目にあっており、どう対応するのですかと突きつけられると返事に窮してしまうのです。

会社を辞めて子どもの後をついていくことは現実的ではありません。

子ども達は地域社会で生活をしており、保護者がずっとついていくことはできないです。

しかし、現実として、地域の中で危険なところがいっぱいあることを知ると、保護者は、ぱたっと考えが止まってしまいます。

初めて、子どもが毎日生活している地域を安全にする以外に方法がないことに気づくのです。

皆さんも自信を持って、PTAでこの活動をやっていけば、地域は劇的に変わっていきます。特に地域に関心のない若いお父さんが変わっていくことが多いです。

自分では子どもを守れないことに気づき、自分も地域に関わっていかないと問題は解決しないと感じるようになります。お父さん、お母さんも子どもを通じて、地域というものを受け入れている大人になっていくのです。

 

以下、質疑応答の時間で出された内容です。

<質疑応答>

質問:パトロールに関してですが、保護者も仕事を持っている方も多く、ただ、まわればよいとう形になりがちで、否定的な意見も上がってきています。継続している意味があると思っていますが、不満の意見も多く、どうやればよいのか意見をください。

<中村先生の回答>

パトロールは効果という点でどうしても限界があります。地域の大人の姿が見えるまちづくりを若い人たちを交えて作っていくという取り組みが大切だと思います。

今、住宅街では昼間は空っぽになっています。

地域の大人の姿が見えなくなってきています。そういった状況をどのように改善していくかを考えないとパトロールは一時的な対策だと思います。これから取り組んでいくことは、昼間、地域を拠点に生活している高齢者の力を引き出す必要があると思います。高齢者が楽しくまちづくりに取り組める活動にする、高齢者の目で子ども達をまもる環境を作ることです。

少しずつ、足がかりはできてきております。公園には健康遊具が準備されています。高齢者には自分たちの健康を考えながら公園にきてもらう。新小岩の方ではベンチを作っている事例もあります。かつて福島を訪問した時にいいなという活動に「3つのどうぞ」というのがあります。1つは、「ベンチでどうぞ」。休むところがないとなかなか高齢者はでづらい。2つめは「傘をどうぞ」。途中で雨がふると困るので、ベンチに傘が置いてあります。

3つめは、「トイレをどうぞ」。外出時はどうしてもトイレが心配です。お店や事業所、公益施設にトイレを自由に使えるようにしています。

葛飾では空き家や空き地も増えてきています。そういうところを使って、高齢者が出やすくし、高齢者の目によって大人を守っていく地域にしていくのがよいと思います。

皆さんも頑張ってください。

(以上は、講演内容を抜粋したものです)

 

3.出席者からの感想の抜粋

・トイレなどの建物の改築までしていることに驚くと共になるほどと感じました。あきらめずに声をあげることが大切だと感じました。

・葛飾に引っ越してきて17年になります。子どもが小学校に通っている頃、他の地域に比べて、地域の目や地域と学校との協力がとてもあると感じていました。下町という特性かなと思っていましたが、このような地道な活動のお蔭と初めて知りました。もっともっと広げていきたいと思いました。

・話を聞いて、当たり前のことができていない、大人になりきれていない大人が多いから犯罪が起きると感じました。昔のような近所づきあいも減り、核家族化も進み、子どもを守るためには、周りの協力が必要なことも強く感じました。いろいろと考え、見直そうと思います。

・松戸の事件はやはりショッキングな事件でした。私たち葛飾では、安心安全なまちづくりのために子どもは勿論お年寄りも住みよいまちづくりが必要であることがわかりました。いいまち葛飾に住んでいるという自信のもてるまちになるように少しでも出来ることを取り組んでいきたいと思います。

・「地域の大人たちの責任で子ども達を守る」。葛飾が進めている活動が積み重なって犯罪のない子ども達の安全なまちをさらによくしていきたいと思います。高齢者を含め葛飾全体が子ども達も大人も住みやすいまちにしたいです。何かあってからでは困るので、大人の強い意識が必要であると思います。

・子ども達を守っていくための地域の在り方、できることを考える、人権を守ることについて、とても参考になりました。私自身、近所付き合いを大切に思い、子ども達にも困った人をたすけられるよう教えています。とても同感できる内容でした。

・子ども達に教育することは大事だが、それより大人が中心になって子ども達の環境を作ることが大切だということを感じました。地域の目が大事、昼間いない保護者の代わりに高齢者が見守れるようなまちづくりをしていくことが大切だと感じました。

・葛飾区が他区に比べてとても積極的に活動をしていることがわかってよかったです。

・子ども達を守る具体的な方法を知ることができて、とても勉強になりました。自分が住んでいる葛飾区でこういった取り組みが行われていることを初めて知りました。とても心強いと感じましたので、自分もこういった視点でまちを見ていきたいと思います。

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